研究課題/領域番号 |
18590954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
瀧山 嘉久 自治医科大学, 医学部, 講師 (00245052)
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研究分担者 |
迫江 公己 山梨大学, 医学部・附属病院, 助教 (10398505)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Hereditary Spastic Paraplegia / Spastin / 抗spastin抗体 / siRNA / ビンブラスチン / SPG4 / SPG7 / Motor protein |
研究概要 |
AAA-ATPaseであるspastinは微小管を切断する機能を有する。我々は抗spastin抗体を作製して局在解析を行なったところ、spastinタンパクは核内および細胞質にユビキタスに発現を認めるが、特に分裂細胞では細胞分裂時の紡、体、微小管および細胞間橋に、神経系細胞では神経突起の先端に強く発現することを見いだした。spastinに特異的なsiRNAを用いたknockdownにより、細胞質分裂や核形態の異常が認められ、spastinは微小管切断タンパクとして細胞分裂に重要な蛋白であることが示された。また、神経系の細胞では、異常伸長した細く長い突起や突起に腫脹が見られたことから、微小管切断タンパクであるspastinの減少により、神経突起先端における微小管の切断と伸長のバランスが崩れ、異常伸長が起こることが示唆された。この知見に基づいて、神経芽細胞腫IMR32細胞にspastin特異的なsiRNA(1nM)を導入し、神経突起の異常伸長をレスキューする化合物について、スクリーニングする系を作成した。これまで、微小管重合関連の化合物、アルキルフェノール系化合物について検討した。中でもビンブラスチンは5-10nMで突起の異常伸長を軽減したが、同時に細胞死も誘導した。次に、ユビキタスに発現するspastinがどのようにして切断を制御しているのかを検討する目的で、DNA chipによる解析を行なった。spastin遺伝子の減少に伴って減少する遺伝子の中には、興味深いことに同じ痙性対麻痺に属するSPG7の原因遺伝子が存在した。さらにpick upした遺伝子の中に、アポトーシスと神経突起の形成に関与するタンパクが、抗体を用いた解析により内在spastinと神経起の先端で共局在し、抗spastin抗体を用いた免疫共沈降により複合体を形成していることが示された。今後このようなspastinを中心としたタンパクネットワークを解析することにより、SPG4をはじめとする痙性対麻痺の治療法の開発に結びつけることが可能になると考えられた。
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