研究課題
基盤研究(C)
先天性白質形成不全症モデルマウスmsd(plp-A242V変異を有する)を用いた病理評価方法の確立とそれによる治療候補薬の効果検討を行った。1.光学顕微鏡的観察;(1)KW染色;WT;3週齢にて大脳白質の他に内包・淡蒼球内部に髄鞘化された神経線維がみいだされ4週齢WTにて、大脳白質・内包・海馬采・乳頭体視床路に髄鞘がみられる。msdでは3週齢にて大脳白質にはまったく髄鞘はみられず4週齢で淡蒼球や視床内部に有髄線維が少数みとめられた。(2)Epon包埋semithin Toluidine-blue stain;1週齢および2週齢の脊髄白質にWTでは多数、msdに少数の有髄線維を認める。4週齢視神経では、WTでは正常と考えられる多数の髄鞘線維がみられ、msdでは少数の有髄線維が認められた。2.電顕的観察;髄鞘化形成を観察したところ、視神経が安定した軸索、髄鞘の分布を認め、脊髄・大脳白質・脳梁と比較して、髄鞘化の定量に適していると考えられた。4週令のマウスの視神経像を取り込み、NIH Image-Jにて軸索、髄鞘部分を抽出。WT,msd,それぞれについて10枚の電顕画像を解析し、全視野の軸索、髄鞘の面積を定量した。その結果msdの病態として髄鞘化形成不全に加えて軸索の変性が認められることが明らかになった。以上の検討より、白質形成不全の病理像を電顕的観察定量的に評価するモデルマウスの系が確立した。この評価系で小胞体ストレスを軽減する可能性のある薬物を投与し4週齢で上記電顕的検討を行ったところ、msdの髄鞘化形成不全を軸索の変性を一部改善する効果が認められた。投与による副作用は、行動・病理学的に認めておらず、初めて先天性白質形成不全の臨床治療に近づいた。今後、更に改善度の強い候補薬を平行してスクリーニングしていく予定である。
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