研究課題
基盤研究(C)
申請者らは糖尿病合併症発症機序として「高グルコースによるミトコンドリア由来活性酸素過剰産生」の意義を提唱しているが、当該研究期間は以下の1〜3を行った。1.TNF-αは血管内皮細胞においてミトコンドリア由来活性酸素産生増加させること、またミトコンドリア由来活性酸素がTNF-αによるインスリン依存性eNOSリン酸化の抑制に関与している可能性を明らかにした。2.PPARγアンタゴニストは血管内皮細胞において高糖濃度によるミトコンドリア由来活性酸素産生増加を正常化できることを証明した。またミトコンドリアバイオジェネシスを促進する効果も認めた。機序として、PGC-1α誘導、MnSOD発現増加が関与していることも証明した。3.MnSODを血管内皮特異的に発現させたトランスジェニック(eMnSOD-Tg)マウスを新規に作成した。規に作成したeMnSOD-Tgマウスの検討により、ミトコンドリア由来活性酸素の抑制により糖尿病網膜症発症が抑制されることをin vivoで証明した。以上より、ミトコンドリア由来活性酸素が糖尿病における血管リモデリング障害に関与している可能性、PPARγアンタゴニストがミトコンドリア由来活性酸素抑制により合併症抑制効果を示す可能性、in vivoでのミトコンドリア由来活性酸素の糖尿病網膜症発症における関与の直接的な証明を行った。
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