研究課題
基盤研究(C)
副甲状腺ホルモン(PTH)は、細胞外カルシウム濃度により厳密にその分泌が調節されており、血清カルシウム濃度の調節維持に重要な役割を演じている。細胞外カルシウムによるPTHの分泌調節機構は、PTH遺伝子の発現、PTH mRNAの安定性、副甲状腺細胞内でのPTH分子の断片化、副甲状腺細胞増殖といった多くの段階で調節されている。我々は、PTHのアミノ酸配列7番付近におけるN端断片化機構の存在と、その機構が細胞外カルシウム濃度の変化を介していることを示してきた。しかし、この機構が副甲状腺細胞膜上に存在するカルシウム感知受容体(CaR)を介しているかについては、不明であった。今回の研究機関で、副甲状腺からPTHが分泌されるに至る様々な段階で、CaRを刺激することによりPTH分泌を抑制できることを、原発性副甲状腺機能亢進症モデルマウス(PCマウス)や初代培養副甲状腺細胞を用いて、我々は示した。PCマウスを用いた検討、初代培養副甲状腺細胞を用いた検討で、CaRのアゴニストであるシナカルセトを投与することで、PTH分泌が抑制されることを示した。さらに、CaRの刺激により、副甲状腺細胞内でPTH分子のN端断片化が促進されることを、PCマウスを用いた検討、初代培養副甲状腺細胞を用いた検討であきらかにした。以上より、シナカルセトは副甲状腺細胞膜上のCaRをアゴニストとして刺激することにより、PTH分泌抑制作用、副甲状腺細胞内でPTH分子のN端断片化作用を持つことが明らかとなった。
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