研究課題/領域番号 |
18591043
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
半下石 明 東京大学, 医学部・附属病院, 特任講師 (20344450)
|
研究分担者 |
浅井 隆司 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (10376436)
熊野 恵城 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (90396721)
山本 豪 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (70396753)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 癌抑制遺伝子 / 細胞周期 / Blimp-1 / 造血器腫瘍 |
研究概要 |
我々はこれまでに、多くの悪性腫瘍において高率かつ共通に欠失が認められるヒト染色体6q15-23領域を標的に、造血器腫瘍を対象とした欠失解析より、新規癌抑制遺伝子としてBlimp-1を同定した。 そこで本研究では、Blimp-1の癌抑制機能を明らかにするために、機能解析を行なった。まずBlimp-1欠失マウスを作成し、造腫瘍性につき解析を行なったが、野生型マウスと腫瘍形成に差が見られなかった。 次に細胞周期における制御に焦点をあてて解析を行った。Blimp-1を腫瘍細胞株に強制発現させると、種々の細胞に対して細胞周期の停止を誘導し、細胞の増殖を強く抑制する。細胞周期解析では、Blimp-1による細胞周期の抑制はG1およびG2期で生じていることが示された。一方、Blimp-1により転写が制御される遺伝子を網羅的に同定するためにGeneChipを用いた発現解析を行った。その結果、Blimp-1の発現により、発現量に変化(減少・増加)を示す遺伝子を多数見出した。これらの中に細胞周期を制御する遺伝子が複数認められた。引き続きこれらの細胞周期の制御に関与する各種因子の発現をRNAレベルおよび蛋白質レベルで確認したところ、Blimp-1の発現増加によりp21、p57の発現が誘導されることが明らかになった。さらに各制御因子に対するsiRNAを用いたノックダウン解析の結果、Blimp-1によるG1停止がRbに依存しており、p21,p57の誘導によるRbのリン酸化によりG1停止が誘導されることが示された。一方、G2停止はBlimp-1によるp53蛋白の発現の増加に依存していた。p53 mRNAの発現量はBlimp-1の発現で変化がないことより、このp53の蛋白レベルの上昇は、転写後調節を介することが明らかとなった。 さらにBlimp-1の機能を解析するために、Blimp-1と結合する複数の蛋白質の同定を試みた。その結果、Blimp-1は細胞周期に重要な蛋白質のひとつと結合することが明らかになった。Blimp-1は細胞周期制御因子の発現を制御するとともに、直接細胞周期制御に関与する蛋白に結合することで細胞周期の停止に関与する可能性も示唆された。
|