研究課題
基盤研究(C)
造血幹細胞由来の非血液細胞が四塩化炭素(CCl_4)による肝傷害時に肝臓内に存在することはわかっていたが、その細胞の詳細な解析は行っていなかった。そこで、EGFPマウスから分離したLin^-c-kit^+Sca-1^+CD34^-細胞を1個ずつ96well plateにソートし、IL-11+SCF存在下で7日間培養後に20細胞までしか増殖しなかったwellの細胞全てを9.5Gy照射C57BL/6Jマウスに移植した。移植2ケ月後の末梢血キメリズム解析で高率に生着が確認されたマウスに、CCl_4を投与し慢性肝傷害モデルを作成した。このマウスの肝臓の解析から、造血幹細胞由来の肝星細胞(Oil-red-O陽性、Vimentin陽性、GFAP陽性)が傷害肝に出現し、collagen-IやADAMTS13を産生することを証明した。さらに、この現象が細胞融合の結果でないことをY染色体FISH解析により確認した。これらの結果は2006年12月のアメリカ血液学会で発表し、論文はBlood誌(2008;111:2427-2435)に受理された。造血幹細胞が肝星細胞に分化する事は証明できたが、その分化経路や機序は全くのブラックボックスである。研究代表者は造血幹細胞と腎糸球体メサンギウム細胞の関連を研究する過程で、造血細胞系列の中で特に骨髄球系細胞がメサンギウム細胞に分化する能力を有することを発見していた。そこで、肝星細胞への分化においても骨髄球系細胞が分化能力を有するのかを検討した。EGFPマウスから分離したLin^-細胞をSCF+M-CSF存在下で培養して単球・マクロファージを準備し、肝傷害マウスに移植した。対象とした全骨髄細胞を移植した場合とほぼ同頻度で肝臓内にEGFP陽性細胞を検出した。現在、EGFP陽性細胞がKupffer細胞、肝星細胞のいずれなのか検討中である。
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