研究課題/領域番号 |
18591063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原田 結花 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (50379848)
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研究分担者 |
原田 浩徳 広島大学, 病院, 助教 (10314775)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / AMLl / RUNX1 / 造血幹細胞 / 協調遺伝子変異 / Evil / MLL / 治療関連白血病 / 遺伝子転座 / AML1 / Evi1 / エトポシド |
研究概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)の発症には、複数の遺伝子異常が関わっており、中でもAML1点突然変異が続発性のMDSやAMLに高頻度であることから、放射線や化学療法剤がAML1変異を特に誘導するのではないか、またAML1点変異それ自体が「ゲノムの不安定性」を誘導し、セカンドヒットとなる異常を"引き起こす"のではないかと推測し、本研究で実証を試みた。18年度は遺伝子異常獲得メカニズムの解明を行った。ヒト臍帯血由来造血幹細胞にエトポシドを作用させ、サイトカイン存在下で培養した。曝露後3時間でアポトーシスが最大となったが、7-14日後にはコントロール細胞と同等の生存率となった。AML1、 MLL、 CEBPA遺伝子再構成をInverse PCR法により解析したところ、AML1およびMLL遺伝子はエトポシド投与3時間後に多数の遺伝子再構成バンドが得られ、他の染色体との転座が確認できた。ところが7-14日後では、コントロール細胞に多数の再構成バンドが検出され、エトポシド投与細胞ではバンドの数が減少した。一方CEBPA遺伝子にはこのような再構成バンドを認めず、遺伝子による転座の起こりやすさの違いが明らかになった。19年度は他の遺伝子異常誘導の解明を行った。マウス造血幹細胞にAML1点変異体を導入して移植すると高率に白血病の発症を認めるため、他の遺伝子異常を誘導すると予測した。しかしこれはレトロウイルスによる遺伝子導入の際、Evil遺伝子近傍に組み込まれ、その発現を賦活化したためであったと判明した。 実際にAML1変異体とEvilを同時に導入すると、白血病の発生は早くなった。そこで特定の遺伝子導入部位のないヒト臍帯血由来造血幹細胞にAML1点変異を導入したところ、変異の種類により全く異なる増殖形態をとることが判明した。D171N変異体は、分化阻害・増殖抑制作用を示し、他の遺伝子異常の獲得が必須と考えられた。一方S291fsX300変異体は、CD34陽性細胞の増加が見られ、変異体自体増殖能を呈した。以上の結果を学会・論文等で報告した。
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