研究概要 |
(1)昨年度の本研究で我々は臍帯血CD34陽性細胞から効率的に血小板を作製する事に成功した(Matsunaga T, et. al.Stem Cells 24,2006)。具体的には、75-cm^2 flaskを用いて、confluentになったhTERTストローマ細胞と共にstem cell factor,thrombopoietin,Flt3-ligandを添加した培養液に500CD34陽性細胞/10mlの度で細胞を浮遊させ、14日間共培養した(第1相培養)。第1相培養で得られだ細胞を新しい75-cm^2 flaskを用いて、confluentになったhTERTストローマ細胞と共に、上記のサイトカインの組み合わせに更にIL-11を添加して14日間共培養した(第2相培養)。更に、第2相培養で得られた細胞を、第2相培養と同一のサイトカインの組み合わぜで5日間液体培養して血小板の産生を試みた。その結果、妊婦1人分の臍帯血から10.5単位の血小板輸血製剤に相当する2.1×10^<11>個の血小板を産生可能な事を明らかにした。更に、我々は作製した血小板の凝集能およびHLA-class Iの発現が健常成人のそれと同等である事を確認した。 (2)今年度は、上記の第3相培養における血小板産生の増強を試みた。即ち、Hamada T, et. al.(J Exp Med 188,1998)の報告を参考にして、第2相培養で得られた巨核球を血管内皮細胞と共培養することにより血小板の産生が亢進するか否かを検討した。具体的には、ヒト血管内皮細胞株であるHUVECおよび初代培養ヒト血管内皮細胞と第2相培養で得られた細胞とをstem cell fator,thrombopoietin,Flt3-ligand,IL-11の存在下で5-14日間共培養して血小板の産生量を測定血小板の産生量を測定で血小板の産生増強は認められなかった。
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