研究課題/領域番号 |
18591081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中熊 秀喜 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207746)
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研究分担者 |
園木 孝志 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30382336)
川口 辰哉 熊本大学, 医学部・附属病院, 准教授 (50244116)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 発作性夜間血色素尿症 / 再生不良性貧血 / 特発性造血障害 / NKG2D / NKG2Dリガンド / ULBP / MICA / B / ストレス蛋白 / 造血不全 |
研究概要 |
発作性夜間血色素尿症(PNH)、再生不良性貧血(AA)、骨髄異形成症候群(MDS)などのいわゆる骨髄不全症候群(BFS)の患者の発生は世界的にみて日本に比較的多い。BFS患者の特徴である造血不全は致死的であるが免疫抑制療法が奏効することなどから、その発生には免疫介在性造血細胞傷害の関与が予想されている。しかし、造血細胞上に発現する免疫標的分子など詳細な分子病態は不明である。我々は本研究において、一部のPNHとAAの患者の顆粒球や骨髄CD34陽性細胞(造血幹細胞画分)にULBPとMICA/Bなどのストレス誘導型蛋白(NKG2Dリガンド)が病的発現していることや、リガンド発現顆粒球が自己リンパ球により傷害を受けることを見出し、NKG2Dリガンドを免疫標的分子の有力候補として提案した(Blood 2006)。また、AA・PNH症候群3例およびAA2例の1〜5年間の臨床経過の前方視的解析を行い、NKG2D介在性細胞傷害を誘発するリガンドの血球発現をフローサイトメトリーやRT-PCRにより確認し、さらにリガンド発現が造血不全および免疫抑制療法の造血改善効果と密接に関連していることを明らかにした。以上の研究結果から、PNHやAAの少なくとも一部の患者はNKG2Dリガンドを血球膜に発現させる何らかのストレスに曝されており、またこれらのリガンド発現を契機にNKG2D介在性免疫が生体内で発動して造血障害が誘発または促進されていることが強く示唆された。今後、NKG2Dリガンド発現が造血障害を誘発しうることを生体外造血コロニー形成実験等により検証する予定である。
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