研究課題
基盤研究(C)
1.FRP受容体(A7)の解析:two-hybrid法でクローニングしたFRP受容体A7とCD14はじめ、activin A、follistatin、TGF-β1との親和性を解析した。それらのK_D値は以下のとおりであった。FRP対A7:4.20×10^<-6>M、FRP対CD14:1.72×10^<-4>M、FRP対activin A:1.43×10^<-6>M、FRP対follistatin:1.88×10^<-4>M、FRP対TGF-β1:1.28×10^<-8>M、FRPの結合様式は、結合速度が極めて速い一方、親和力は比較的低い特徴があった。ただしTGF-β1との結合速度はさほど速いものではなかった。activin AとCD14はA7と結合しないが、follistatinは弱い親和力で極めてゆっくりとA7と結合した。そしてactivin A、CD14、follistatinはFRPとA7の結合を阻害した。興味深いことに、TGF-β1もA7に比較的強い親和力で結合した。しかし、この結合はFRPにより阻害された。FRPはTGF-β1とその受容体TGF-β1sRIIの結合を阻害するが非常に軽度なため、FRPはTGF-βのシグナル伝達にほとんど影響しないと考えられた。以上からFRPはTGF-βファミリーを中心とした分子と相互作用し、免疫系のみならず組織の形成段階で大きな役割を演じていると結論した。2.セカンドメッセンジャーのクローニング:two-hybrid法にて得たクローン:SA240、SA263、SB224、SC21、SC23は、いずれもprey vectorを欠失していることがわかり、酵母を用いたtwo-hybrid法ではクローニングが不可能と結論した。解決法として、ほ乳類からみて酵母よりさらに種差の大きい大腸菌を用いたtwo-hybrid法を今後実施するか検討している。
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