研究課題
基盤研究(C)
【目的】生物時計を司るCry1/2遺伝子の欠損マウス(Cry KOマウス)を用いて、生体リズムと関節炎との関係を検討した。【方法】(1)Cry KOマウス・対象群C57/B6マウスに抗II型コラーゲンモノクローナル抗体カクテル(4mg/body)を腹腔内投与し関節炎を誘導した。関節炎の程度は関節炎スコア(四肢毎に0〜4点の重症度評価を行い合算、最高16点)を連日評価し、カクテル投与後16日まで観察した。同時に、と殺時に採取した脾臓および関節局所の時計遺伝子Per蛋白発現をWB法と免疫組織染色で評価した。(2)関節炎非誘導naive Cry KOマウスの脾細胞リンパ球分画をFACSで、CD3刺激下培養脾細胞からのサイトカイン産生をELISA法で、関節炎非誘導naive Cry KOマウスおよび対象群C57/B6マウスの脾・肝臓におけるc-fos/wee-1蛋白発現をWB法で評価した。(3)Cry KOマウス胎児性線維芽細胞を用いたルシフェラーゼアッセイにより、Cry遺伝子がTNF-α転写にあたえる影響を検討した。【結果】(1)関節炎の誘導によりC57/B6マウスの関節局所におけるPer蛋白発現の日内リズムが破綻し、重症関節炎局所ではPer蛋白発現が亢進した。またCry KOマウスは、より重症の関節炎を発症した。(2)naive Cry KOマウス脾細胞リンパ球分画で活性化T細胞の増加がみられた。(3)naive Cry KOマウス由来刺激下培養脾細胞では、TNF-α産生の亢進がみられた。(4)Cry KOマウスの脾・肝臓においてc-Fos/weel蛋白の発現増強がみられた。(5)Cry KOマウス胎児性線維芽細胞にCry遺伝子を導入することで、TNF-α転写能が低下した。【結論】関節炎発症により概日リズムは失調し、概日リズムを消失したCry KOマウスでは実験的関節炎が重症化した。これらの結果は、関節炎の重症化に対する生体リズムの関与を示唆するものであった。同時に、Cry遺伝子が転写レベルでTNF-α産生を直接制御することが解った。
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