研究課題/領域番号 |
18591138
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大浦 敏博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10176828)
|
研究分担者 |
山口 清次 島根大学, 医学部, 教授 (60144044)
呉 繁夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10205221)
坂本 修 東北大学, 病院, 講師 (20333809)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,670千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | シトリン / シトルリン血症 / SLC25A13 / 新生児スクリーニング / 新生児肝内胆汁うっ滞 / NICCD / CTLN2 / 低炭水化物食 |
研究概要 |
【緒言】シトリン欠損症の長期予後は不明であり早急にその臨床像を明らかにし治療・予防法を確立する必要がある。 【方法】シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞症(MCCD)の臨床像を明らかにするため、主治医へのアンケート調査を行なった。また、保護者に食事内容の記載を依頼し、各栄養素の摂取状況を調査した。 【結果】新生児マススクリーニング陽性を契機に受診した症例が30例存在していた。残りの45症例の大部分は黄疸、淡黄色便を主訴に新生児肝炎、胆道閉鎖が疑われ生後1〜4ケ月の間に受診していた。検査結果では高胆汁酸血症、凝固能低下、低蛋白血症、複数のアミノ酸やガラクトースの一過性上昇が特徴的であった。MCTフォーミュラ、乳糖除去ミルク、脂溶性ビタミン等が使用され、ほとんどの症例は1歳までに肝機能は回復していたが、肝不全に進行し1歳前に生体肝移植が行なわれた症例が2例、16歳でシトルリン血症II型(CTLN2)を発症した症例が1例存在した。栄養調査では患児は離乳食の早期より豆類を好み、糖質を嫌う特異な食癖が見られ、低炭水化物、高脂肪、高蛋白質食を摂取していることが明らかとなった。 【考察】NICCD患児は稀ながら肝不全が進行し、乳児期に肝移植が必要となる重症例が存在することが明らかとなった。また、幼児期早期より特異な食癖が見られ、これは欠損しているシトリンの機能を代償する合目的食行動と考えられる。本疾患では肝細胞質にNADHが過剰に蓄積し種々の症状を引き起こす。高炭水化物食はNADHの蓄積を助長するため嫌うのであろうと想像される。患児にとって高炭水化物摂取は危険であり、逆に低炭水化物食を励行することでCTLN2の発症を予防できる可能性がある。今後症例を集積しCTLN2の発症予防策の確立を目指したい。
|