研究課題/領域番号 |
18591204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,750千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 先天性貧血 / アポトーシス / リボゾーム蛋白 / 細胞周期 / マイクロアレー / シグナル伝達 / エリスリポエチン / 遺伝子 / 貧血 / RPS19 |
研究概要 |
ダイヤモンド・ブラックファン貧血(DBA)は貧血を主症状とし、時に形態異常を伴う先天性の遺伝病であり、DBAの25%においてRibosomal Protein S19(RPS19)の異常が報告され、RPS19蛋白質の減少がDBA発症に関与しているといわれているが、RPS19蛋白質の機能に関しては全く未知である。RPS19蛋白の機能解析のためにRPS19に対するsiRNAを用いRPS19の発現を抑制することによりDBAモデルを作製し、そのモデルを用いて様々な分子機序の解析を行った。赤芽球系細胞株であるTF-1細胞にテトラサイクリン誘導システムを用い、テトラサイクリンにて誘導時のみにRPS 19が減少する細胞株を樹立した。この細胞はテトラサイクリン誘導時にRPS19の低下が認められ、それに伴って分化、増殖阻害、コロニー形成能の低下が認められ、DBAサンプルと同様の病態が認められた。このDBAモデル細胞株を用いて、エリスロポエチンのシグナル伝達解析、細胞周期解析、アポトーシス解析などを行った。さらにはRPS19が赤芽球分化のどの段階で影響しているのかを、各分化段階での細胞を用いて検討した。RPS19正常時、低下時においてエリスロポエチンのレセプターの発現を検討したが変化はみられなかった。また、エリスロポエチンのシグナル伝達においても異常は認めなかった。細胞周期を調べたところRPS 19低下時はGO/G1細胞の比率が増加しており、アポトーシスを起こしている比率の増加が認められた。実際にDBA患者の骨髄細胞と正常者の骨髄細胞においてアポトーシスの率を比較検討したところ、DBA患者の骨髄細胞では有為にアポトーシス細胞の増加を認めた。また、これらの変化は赤血球分化の初期においてみられ、分化した段階においては認められないことからRPS19は赤血球系の幼弱な段階で重要な役割を果たしているものと推測できた。また、これらの異常は正常なRPS19を発現させることにより改善を認め、遺伝子治療の有用性が考えられた。
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