研究課題
基盤研究(C)
円形脱毛症の新規の治療法を模索するために、円形脱毛症の活動期の毛包周囲に浸潤している細胞の種類を免疫組織化学法によって検討したところ、CD4陽性CCR5陽性細胞がCD4陽性CCR4陽性細胞より有意に多く、Th1型の反応がTh2型の反応より優位であると考えられた。続いて円形脱毛症モデルマウスC3H/HeJマウスを用いた実験を行った。このマウスは加齢とともに脱毛斑を自然発症し、毛包周囲にCD4陽性リンパ球、CD8陽性リンパ球が浸潤し、局所免疫療法が奏効し、ヒトの円形脱毛症に似た症状を呈す。このマウスの脱毛斑にインターロイキン4を毎日3週間局所注射すると、コントロールと比較し、脱毛の改善率は高かった。さらに抗インターフェロンガンマ中和抗体をC3H/HeJマウスの脱毛部に1週間毎日局所注射すると、ラットIgGを注射したコントロール群と比較し、脱毛斑の改善率が高かった。次にT-box21という遺伝子に着目した。T-box21蛋白はTh1リンパ球への分化に非常に重要な役割を果たす転写因子である。このT-box21遺伝子を欠損したマウスではTh1リンパ球への分化にが抑制され、Th1型の免疫反応が減弱している。さらに、T-box21蛋白はTh1リンパ球への分化に重要なインターフェロンガンマのプロモーターに結合し、インターフェロンガンマ遺伝子の発現を増強していることが報告されている。2日に一度C3H/HeJマウスにこのT-bet蛋白の発現を抑制するT-box21アンチセンスオリゴヌクレオチドを7回注射したところ、コントロール群と比較し、脱毛斑の改善率が高かった。さらにT-box21遺伝子siRNAをゼラチンを用いて徐放化させると、マウスの脱毛斑が改善した。これらの結果はヒトの円形脱毛症の新規の治療法につながる可能性があると考えた。
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