研究課題/領域番号 |
18591252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
成澤 寛 佐賀大学, 医学部, 教授 (60164498)
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研究分担者 |
三砂 範幸 (三砂 範倖) 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90199977)
井上 卓也 佐賀大学, 医学部, 講師 (50380754)
大川 毅 佐賀大学, 医学部, 助教 (90418814)
古場 慎一 佐賀大学, 医学部, 助教 (60418811)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | メルケル細胞 / Merkel cell / coculture / コラーゲンゲル培養法 / 表皮シート / 培養 / 気相-液相界面微小環境 / ケラチノサイト |
研究概要 |
メルケル細胞は、掌蹠の表皮突起部や毛盤、毛包隆起部などに存在し、機械的刺激の受容に関わっているとされてきた。しかし増殖・分化・機能などに関してもいまだ解明されない問題は非常に多い。その理由として、メルケル細胞の長期培養法が確立されていないことが挙げられる。今回我々は、これらが表皮基底層においてケラチノサイトと直接接した環境で表皮突起部に存在することを考慮し、ケラチノサイトを含む表皮シートを用いたメルケル細胞の組織片培養の検討を行った。 組織はラットの掌蹠の皮膚を剥離切除し、細切する。その皮膚をディスパーゼで1晩処理を行うことにより、表皮と真皮は容易に剥離できる。この表皮シートにはメルケル細胞とケラチノサイトが含まれる。底面がニトロセルロース膜からなる培養皿(内皿)にI型コラーゲンゲルを注入しゲル層(無細胞層)を作る。そのゲル層上に剥離した表皮シートを包埋したゲルを注入し、細胞層を作る。この内皿を6穴のマルチウェルプレート(外皿)に入れ、内皿と外皿にそれぞれの培養液を入れ、通常の培養装置で培養する。またこの培養法では、内皿のゲル層に各種細胞を包埋することにより、その細胞と表皮シートとの相互作用を検討することができる。 本培養法では、メルケル細胞の生存維持が可能であり、培養開始2週間後にもメルケル細胞の生存が同定された。また、株化細胞PC-12を用いた神経細胞との混合培養を行うことにより、表皮シート内のメルケル細胞、ケラチノサイトはともに変性が少なく、より良好な生存維持が確認された。メルケル細胞には明らかなBrdU核内摂取は認めず、増殖能は確認できなかった。 表皮シートを用いたメルケル細胞のコラーゲンゲル培養法は、メルケル細胞の長期生存を可能とし、メルケル細胞の細胞生物学的研究を発展させ、さらに他の細胞との相互作用を解析することの出来る有用な方法と考えられる。
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