研究課題
基盤研究(C)
高齢発症型アルツハイマー病は加齢、環境、遺伝の相互作用により発症し、多遺伝子疾患に位置付けられる。そこで、高齢発症型アルツハイマー病の感受性遺伝子の存在が報告されている第12染色体短腕座位に関して、ゲノムスキャンをおこなった。スキャンはSNPを定量PCRによるゲノタイピングでおこない、合計約380のSNPをタイピングした。対象は孤発性または家族性アルツハイマー病の患者、および一般集団由来の非認知症対照とするケースコントロール研究とした。探索的な一次スキャンは患者188名および対照375名を対象とし、確認的な二次スキャンは患者を追加して合計374名とし、一次スキャンの対照データと比較した。その結果、一次スキャンでは、合計83マーカーがアレル頻度あるいはゲノタイプ頻度でp<0.05の有意なリスク効果を示した。陽性のマーカーを対象として、二次スキャンをおこなった結果、合計39マーカーに有意なリスク効果が確認された。これらのSNPに隣接する遺伝子としては、MGC4266、VWF、SCNN1A、CLSTN3、APOBEC1、DNM1L、FLJ10298、GRIN2B、DAT1、PIK3C2G、FLJ22028、SURB7、SOX5、ITRP2、TM7FS3、STK38L、MRPS35、CCDC91などの遺伝子であった。VWF遺伝子発現はリスクキャリヤーに低血中濃度が認められ、凝固能低下との関係が示された。SURB7遺伝子の発現は患者能で低下していることが確認された。DNM1L遺伝子はミトコンドリアでの小胞輸送と神経機能障害との関係を示唆した。さらに、これらのマーカー座位を対象として、患者対照各々約800例の大規模ケースコントロール研究をおこない、特にSURB7、TM7FS3、STK38L、VWF、DNM1L遺伝子などに有意なリスク効果が確認され、ゲノムスキャンを完了した。
すべて 2007 2006
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