研究課題/領域番号 |
18591302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 諭 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30295357)
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研究分担者 |
池田 官司 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (30232193)
橋本 恵理 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30301401)
鵜飼 渉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40381256)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 摂食障害 / 神経栄養因子 / BDNF / BMI / HDSR / EAT / 抗うつ薬 / 神経幹細胞 / 神経新生 / アディクション / 神経回路網 |
研究概要 |
本研究では、摂食障害患者において、血清BDNF(brain-derived neurotorophic factor)値と体重ならびにBMI(Body Mass Index)の間に有意な正の相関関係を認めた。血清BDHF値の低下に関しては、抑うつ症状との関連性が既に報告されており、今回の結果でも患者の血清BDNF値とHDSR(Hamilton Depression Rating Scale)の点数の間に有意な負の相関関係を認めた。加えて、HDSRの点数とEDI-2(Eating Disorder Inventory-2)の全点数の間に有意な正の相関関係がみられたことからは、病状による抑うつ症状の増悪が、摂食障害患者の血清BDNF値の低下に、何らかの影響を及ぼしているものと思われた。しかし、その一方、抑うつ症状と無関係にEAT-26(Eating Attitudes Test)の下位尺度のOC(oral control)と血清BDNF値が有意な負の相関関係を示していることからは、摂食障害患者における食に関するコントロールが、血清BDNF値の低下に重大な影響を及ぼしている可能性があると考えられた。また、入院治療中にBMI値の有意な増加を認めたAN患者群で、血清BDNF値の増加傾向を認めたが,その変化は有意なものではなかった。しかしながら、同患者群のBMI値とBDNFの変動率は有意な正の相関を示したことから、摂食障害の回復の過程にBDNFの増加が、何らかの影響を及ぼしていることが推察される。BDNFは、生体内で食事摂取やエネルギー消費、体重等の恒常性に関与していることが報告されているが、近年、認知障害、抑うつ症状との関連も多数報告されており、今後、摂食障害の回復の過程における認知の異常、抑うつ症状の変化との関連解析等を実施し、病態におけるBDNF変動の生物学的意義について検討を続けていきたいと考えている。
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