研究課題
基盤研究(C)
日本人の生活習慣の変化と高齢者の増加により、粥状動脈硬化性病変が急増し、脳血管障害の割合が増加している。また、X線CTやMRIなどの画像診断法の普及と、近年の新しい血管撮像法(CTA, MRA)の開発により、血管の狭窄・閉塞性病変は非侵襲的に簡単に発見可能となったことがさらに発見率増加に拍車を掛け、スクリーニング検査による閉塞性脳血管障害の診断率も高くなっている。本研究では、慢性虚血性変化の局所微小循環に注目し、PET、MRIなどの非侵襲的脳機能撮像法を用い、脳血管障害における血行力学的循環動態の解析と臨床応用を目指した。脳循環は独自の自動調節機能により、血圧等の生理的変化が血流量に及ぼす影響を小さく押さえる仕組みになっているが、動脈硬化や血管狭窄等の病的状態では、こうした自動調節機能が破綻している。動脈硬化性病変による脳血管障害においては、局所血流量の測定と共に、末梢動脈灌流圧の評価が重要な意義を持つ。これまで脳内灌流圧の測定は、脳血流量と脳血液量(CBV)の比で代用され、これを用いて抵抗血管拡張の程度および脳内灌流圧の変化を予想できると考えられてきた。しかし、抵抗血管である細動脈から前毛細血管の血液量(V_0)の割合はCBVの一部に過ぎず、全血液量の約50%は静脈成分で占められている。脳循環の機能評価においては抵抗血管である動脈血管機能と灌流圧の評価が必要であり、微小循環の動脈側血管径が決定因子として重要である。この抵抗血管径の変化が脳の循環代謝に影響を与え、病的状態での自動調節能に大きく関与していると考えられる。本研究では、これまでは動物実験レベルでしか計測できなかった動脈側の血液量を精度よく測定し、生体脳での抵抗血管径および微小灌流圧調節機能を直接評価できる画像化法を考案した。また、将来的にMRIやCTを用いた定量的循環代謝測定への応用していくことを考慮した上で、病的循環動態での微小循環代謝・末梢灌流圧の変化や病態との関係について、PETを用いて検討した。
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