研究概要 |
ガドリニウム造影剤を5mL/秒にて静注したのちパーフュージョン解析撮像を施行した.従来法の高解像造影ダイナミックMRIと5mLの造影剤の5mL/秒の急速静注後のシングルスライスシネMRI撮像を行い,dual-input one-compartment modelを用いて肝血液量,肝血流量,平均通過時問,肝動脈血流比を得た.全肝の画像診断用に得られたガドリニウム造影MRI像を読影し,放射線医学的臨床診断を行った.さらに,パーフュージョン解析の施行が正確な肝病態把握の妨げとなっていないか否かを判定した,本研究ではパーフュージョン解析にdual-input one-compartment modelを用いた(Materne R, et al.Magn Reson Med 2002;47:13 5).慢性肝障害,肝硬変症のステージ,病理診断,Child-Pugh分類,ICG15分値とMRIパーフュージョンデータにより求められた肝血液量,肝血流量,平均通過時間,肝動脈血流比を比較し,MRパーフュージョンにより解析された肝血流解析と臨床データを比較する段階に入った.今回の検討では,造影三次元MRI画像とDual input one compartmental modelによる肝動脈血流量,門脈血流量,肝動脈血流比,門脈血流比,平均通過時間を計測できることを確認するに至った.肝機能との相関もある程度確認され,未だ技術の煩雑さや精度に問題が残るものの,今後のMRIによる肝血流評価の可能性に光明が差したと言える.
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