研究課題/領域番号 |
18591399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
明石 真言 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, センター長 (10222514)
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研究分担者 |
蜂谷 みさを 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (00198756)
中山 文明 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (50277323)
富永 隆子 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 研究員 (50415436)
安田 武嗣 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (60332269)
須藤 誠 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 研究員 (40415427)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,890千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | TNFα / 放射線障害 / ノックアウト / O mouse / survival |
研究概要 |
放射線被ばく時に産生される内因性tumor necrosis faactor α(TNFα)の役割を調べるため、TNFαknock-outマウス(TNFαk/o)と野生型マウス(wt)を比べた。γ腺全身照射後、TNFαk/oはwtに比べ有意な生存期間の減少を示した。さらに、照射の前ばかりでなく後から、recombinant TNFαを投与すると、両マウスとも、生存率が上昇した。照射後の白血球数は両群で差は認められなかったが、15日後には赤血球数、ヘマトクリット値、ヘモグロビン値がTNFαk/oで有意に低かった。これに対して、消化管では、両群で小腸クリプトの生存数およびアポトーシスに差が認められなかった。一方、アポトーシス関連たんぱく質の発現を比べると、抗アポトーシスに働くBcl2の発現がwtでは恒常的に発現しているのに対し、TNFαk/oでは発現しておらず、照射により変化も見られなかった。アポトーシスを誘導するBaxは、wtではクリプト側に恒常的に発現しており、照射により増加した。TNFαk/oでは恒常的にクリプト側と絨毛側に発現しており、照射により増加した。また、TNFαk/oにrecombinant TNFαを投与したのち照射すると、小腸クリプトのアポトーシスが増加し、固体の生存とは反対の結果になった。また、放射線により産生が増加し、様々な障害を引き起こす活性酸素 (ROS)の1つで、過酸化水素を消去する抗酸化酵素Manganese superoxide dismutaseの恒常的な活性は肝臓、腎臓では、wtに比べTNFαk/oは低かった。これらのことより、小腸絨毛におけるアポトーシス関連たんぱく質の発現にはTNFαが関与しており、放射線により産生されるTNFαは複雑であるが、放射線障害において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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