研究課題/領域番号 |
18591403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本山 悟 秋田大学, 医学部, 講師 (60292372)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,920千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 人工食道 / 口腔粘膜上皮細胞 / 吸収性ステント / 生体吸収性基質 / bFGF / 口腔粘膜 / ゼラチン |
研究概要 |
食道癌手術に伴う食道再建には現在、自己の胃、結腸、小腸が用いられているが、再建に伴う手術侵襲の拡大、合併症の発生、栄養障害など現状では手術患者に大きな犠牲を強いている。本研究はTissue Engineeringの三本柱である細胞、材料、細胞増殖因子に独自の発想を加えた人工食道移植を目指した研究である。 本研究では細胞には自己の口腔粘膜細胞を用いた。材料にはポリグリコール酸、ポリ乳酸を基本原料とする生体吸収性基質、さらに狭窄防止のための吸収性ステントを用いた。細胞増殖因子にはbasic fibroblast growthing factor (bFGF) ゼラチンシートを用いた。人工食道作成は以下のように行った。麻酔下にビーグル成犬の口腔粘膜を採取、口腔粘膜上皮を単離し培養した。これを円柱状の吸収性基質(足場)に培養、約2週間で細胞が生着し人工食道が完成された。 ビーグル成犬での頸部食道移植を行った。麻酔下に大腿静脈より中心静脈カテーテルを挿入し移植手術後の栄養管理を行った。頸部食道を剥離、5cm切除しここに人工食道を移植した。移植直前に人工食道を取り出し、内腔をbFGF含有シートで被覆し、さらにその内側に吸収性食道ステントを留置し、消化管吻合を行った。最後に移植食道の外側をbFGF含有シートで被覆し閉創した。頸部食道置換では人工食道移植そのものは成功したが移植した人工食道の狭窄が高頻度に生じた。 続いて胸部食道置換を同様に行ったが、胸部食道置換では移植手術侵襲あるいは術後合併症のため移植実験を完遂できなかった。 以上の結果が示すように本研究により期間内に臨床応用可能な人工食道を開発することはできなかったが、本研究により明らかとなった問題点を解決することこそが今後の人工食道研究の進歩につながるものと考える。
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