研究課題/領域番号 |
18591419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50193628)
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研究分担者 |
阿曽沼 克弘 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (40202626)
安東 由喜雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20253742)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,760千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 家族性アミロイドポリニューロパシー / ドミノ肝移植 / 免疫抑制 / トランスジェニックラット / トランスサイレチン / タクロリムス / サイクロスポリン |
研究概要 |
1.動物(ラット)におけるTTRの産生と長期免疫抑制剤投与の関係:DAラットを用いて、免疫抑制剤のトランスサイレチン(TTR)産生への影響を検討した。4週間の投与期間で、タクロリムスではTTR産生を約8%低下させ、サイクロスポリン長期投与ではこのような影響はみられなかった。FAP患者では、移植後もそれまでに沈着した異型TTRを核に正常TTRの沈着が継続する要因にもなるため、ドミノ移植患者のみならず、FAP移植患者でも免疫抑制剤選択に影響を与える知見と考えている。 2.ドミノ移植動物実験:異型トランスサイレチン(ATTR)遺伝子を導入したトランスジェニックラット(FAPラット)より正常のLEWラットへのドミノ肝移植モデルを作成し1週間から3ヵ月の生存を認めた。術前ドナーラットの血清ATTRは9.3〜11.6mg/dlであったが、移植後レシピエントラットでは3.7mg/dl以下で、ドナーラットに比し低値を示した。今後さらにその原因追及が必要である。 3.臨床FAP肝移植患者、ドミノ肝移植例の評価、追跡:肝移植後フォロー中のFAP患者は34人で、全例神経症状の悪化を認めず、心筋の壁肥厚進行4人、ペースメーカーまたは埋め込み型除細動器装着5人、眼症状の進行4人であった。92%が終日就労可能で、肝移植の有用性が確認できた。一方、臨床ドミノ肝移植8例中2例は原疾患再発で死亡したが他の6例は術後2-5年の現在まで神経学的検査で異常なく、胃、十二指腸粘膜生検においてもアミロイド沈着は認めていない。7人の血清で全例においてATTRとwild type TTR両方を認め、ATTRがwild type TTRに比べてやや低かった。今後この臨床例をさらに追跡して、経時的なATTR代謝の変動を検索していく予定である。
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