研究課題/領域番号 |
18591458
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
川上 和之 金沢大学, がん研究所, 准教授 (00293358)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 大腸癌 / Thymidylate synthase / gene polymorphism / loss of heterozygosity / methylator phenotype / gamma-glutamyl hydrolase / DNAメチル化 / LINE-1 / GGH / 遺伝子多型 / 化学療法 / LOH / 核酸代謝酵素 |
研究概要 |
本研究では、大腸がん組織における核酸・葉酸代謝関連酵素の遺伝子変化・多型性を包括的に解析し、これを癌の臨床病理学的特徴やDNAメチル化などのエピジェネティックな変化と対比することにより、遺伝子解析に基づく大腸がんの理解を進めた。さらに、各解析項目と抗癌剤の感受性との関連を探索し、オーダーメイド抗癌剤治療の科学的基盤を構築した。 チミジル酸合成酵素(以下TS)の遺伝子型とTS遺伝子座におけるアレル欠失(loss of heterozygosity、以下LOH)を大腸癌症例を対象に解析し、その予後因子・抗癌剤感受性因子としての臨床的意義を検討した。TSLOHを認める症例は有意に予後不良であり、18番染色体長腕のLOHと相関する変化であった。TS LOHを認めた症例では、遺伝子型3C/lossの予後が不良であったが、術後補助化学療法を受けた症例ではその予後は他の遺伝子型(2R/loss、3G/loss)と同等であった。 DNAメチル化の異常と核酸・葉酸代謝の変化との関連を理解するため、大腸がん114検体を対象として、核酸・葉酸代謝にかかわる17遺伝子のmRNA発現を定量した。その結果、gamma-glutamyl hydrolase(GGH)のmRNA発現はDNAメチル化を高頻度に伴う表現型CpG island methylator phenotype(CIMP)癌で有意に低値であった。GGHは葉酸代謝の中心的酵素であることから、大腸がんにおけるDNAメチル化の獲得・維持には葉酸代謝の破綻が少なからず関連していると考えられた。 以上の結果から、核酸・葉酸代謝酵素遺伝子の遺伝子型やDNAメチル化の状態を指標として主に代謝拮抗剤の効果予測・治療の個別化へと臨床展開可能であることが示唆され、オーダーメイド医療開発への基盤的研究成果を得た。
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