研究課題
基盤研究(C)
胃癌の難治病態である腹膜播種に対する、新規治療法を確立するために本研究は計画された。従来の抗癌剤治療とは異なる分子標的治療を計画した。ひとつは、転移浸潤血管新生に関与する転写因子であるets-1であり、もう1つは、悪性度抗癌剤耐性に関与するNF-kBである。(1)ets-1 Decoy治療動物モデルを用いての投与量、投与法の最適化を行い、さらに長期投与による安全性の評価、生存延長効果を確認した。この結果は、論文(Int. J Cancer, 2007)へ発表した。(2)parthenolide治療胃癌細胞株を用いて、parthenolide単剤での増殖抑制効果、各種抗がん剤(paclitaxel, CDDP)との併用効果を確認した。さらに、parthenolide投与によるNFkappaBの抑制効果について、EMSA assay、 Western等により確認し、parthenolide投与による細胞増殖抑制機構をマイクロアレーにより解析し、作用メカニズムに関して新たな知見を得た。さらに、動物モデルを用いての投与量、投与法の最適化を行い、さらに長期投与による安全性の確認を行った。さらに、抗癌剤との併用効果を確認し、生存延長効果も確認した(論文投稿中)。parthenoplideの経口投与モデルにおける増殖抑制効果を確認した。(3)parthenolideに関しては、臨床プロトコールの作成と倫理委員会への申請を行った。(4)胃癌腹膜播種に対する、新たな分子標的治療法として、ets-1 Decoyおよびparthenolideの抗癌剤との併用療法は有効な治療法となり可能性が示唆された。
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