研究課題/領域番号 |
18591496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平野 聡 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (50322813)
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研究分担者 |
近藤 哲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30215454)
宮本 正樹 北海道大学, 病院, 助教 (40333611)
七戸 俊明 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70374353)
樋田 泰浩 北海道大学, 病院, 特任講師 (30399919)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,830千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 血管新生 / PEDF / 遺伝子治療 / 癌 / 膵癌 / 血管新生阻害 / 受容体 / 食道癌 |
研究概要 |
Pigment Epithelium-Derived Factor(PEDF)は正常膵や網膜で発現する血管新生阻害因子である。これまでの検討では膵癌に於いてPEDF発現低下が予後を増悪させる因子であることが明らかになっている。本研究ではPEDF遺伝子発現ベクターとして構築されたレンチウイルスベクター(Lv-PEDF)を用いた血管新生阻害遺伝子治療研究を行い、その機序の解明と臨床応用を目指したアプローチを目的としている。構築されたLv-PEDFを用いてPEDF過剰発現細胞株(PCI-26-PEDF、PCI-43-PEDF、HEC46-PEDF、TE8-PEDF)を樹立した。これらをヌードマウスに移植して抗腫瘍効果を確認した後、腫瘍組織を切除して切片を作製し、微小血管密度および骨髄由来の血管内皮前駆細胞を、免疫染色法を用いて計測した。同時にマウスの末梢血を採取し、末梢血中の血管内皮前駆細胞を、FACSを用いて計数した。PEDFが血管新生阻害効果を有し、これが腫瘍増大を抑制することが明らかとなったが、同時にPEDFタンパクの有無によって骨髄から遊離する前駆細胞数が変化することが明らかとなったことから、この機序力が、腫瘍細胞から何らかの血管新生促進因子を分泌し、それをPEDFが抑制していることが示唆された。ただし、野生型が新生血管なしに増大できる性質を有する細胞株ではこの効果は見られなかった。さらに、PEDFと結合する受容体、またはタンパクを同定するために、血管内皮細胞から抽出したタンパクをPEDFと結合させて免疫沈降し、精製した結合タンパクを、質量分析機を用いて解析を行った。以上より、PEDF遺伝子治療は、新しい癌の治療手段として有望であることが示唆された。
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