研究概要 |
胆道癌に対する拡大肝切除は, 術後の肝不全の誘因となりうる. 正確な残存肝予備能の把握と術後肝不全の早期予知およびその防止は臨床上重要な課題である. われわれは, 閉塞性黄疸ラットモデルおよび大量肝切除ラットモデルを用いてビリルビンおよび胆汁酸代謝や有機アニオントランスポーターの発現の変化を検討してきた. 閉塞性黄疸ラットモデルでの検討結果から, 胆汁外瘻と比較して胆汁内瘻による減黄の有用性が示唆された. また, 大量肝切除ラットモデルでの検討結果から, 肝切除術後の胆汁流量や胆汁酸排泄量の変化, 有機アニオントランスポーターの発現の変化が術後肝不全発症を早期に予知するうえでの指標となる可能性が示唆された.
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