研究課題
基盤研究(C)
II型肺胞上皮細胞特異的に発現するPulmonary surfactant protein A1(SPA1)promoterにおけるThyroid transcription factor 1(TTF1)依存性肺特異的転写部位(region-157/+59)を同定し、腫瘍特異的hTERT promoter transactivation system下に発現させたTTF1を同部位にbindさせることで、肺癌特異的2step:TTS(TTF1 gene under the control of hTERT promoter and human SPA1 promoter)を開発、報告した。本研究における検討により、本システムはLuciferase assayにて肺腺癌細胞株(A549・H441・H358)に高いプロモータ活性を示す一方、ヒト正常肺繊維芽細胞(NHLF)、肺上皮株(SAEC)、肺小細胞癌株(SBC3・SBC4・SBC5・SBC9B)、扁平上皮癌株(EBC1・EBC2・LK2)、また他臓器癌細胞株では低値であり、肺腺癌特異的な転写活性を示した。本システムによりproapoptotic遺伝子Baxを発現するRecombinant adenovirus vector:Ad/TTS-BAXを用いた抗腫瘍効果の検討において、当該vectorは肺腺癌優位なapoptosisを誘導し、またgefitinib耐性肺腺癌に対しても細胞死を誘導しえた。hSPA1 promoter region:-157/+59はGlucocorticoid依存性転写抑制部位を含み、Ad/TTS-BAX感染肺腺癌細胞におけるapoptosisはDexamethazone投与により著明に抑制された。上記の検討により、肺腺癌特異的、またdrug controllableな遺伝子発現系を開発することで、正常組織障害性をより減弱させた、安全性の高い抗肺腺癌療法が可能となることを明らかにした。
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Mol Cancer Ther. 6
ページ: 244-252
Mol Cancer Then 6
Molecular and Cancer Therapeutics 6巻・1号