研究概要 |
本研究において、継続的に行ってきたのは、正常ラット脳血管における血管拡張作用および脳循環改善作用の定量的評価方法の確立であった。脳血管をFITC-dextran静脈内投与により可視化して、蛍光顕微鏡的(現有)に血管径と赤血球流速を測定して単一微小血管血流を求めると共に、我々が開発した酸素感受性蛍光薄膜センサー(ltoh, et. al.,Am.J.Physiol.267:H2068,1994,Yaegashi, et. al.,Am.J.Physiol.270:H1390,1996,Kimura, et. al.J NeurolSci.2007 Jul 15;258(1-2):60-8.)により脳表の酸素分圧をそれぞれ計測して、脳血管の拡張率、血流速度、周囲脳表酸素分圧などから脳循環代謝に対する効果を総合的に判定する。これらの方法の検討は、さらに画像解析法を駆使して、より定量的かつ2次元的情報を解析し、本研究の効果判定の信頼性を確保するための準備である。この成果は国際学会に発表した。 脳血管攣縮モデル(クモ膜下出血モデル)の開発に関して。 実験的クモ膜下出血モデルとしてはラットを用い、自己血を脳槽に注入するDelgado, et. al.(Stroke 16:595,1985)の方法でモデルを原法として改良を加え作成している。血管攣縮の程度を安定化させさらに再現性の高いモデルの開発が必要と考え、引き続き続行している。
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