研究課題/領域番号 |
18591615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
森 達郎 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (00318437)
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研究分担者 |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
川又 達朗 日本大学, 医学部, 准教授 (20234122)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,660千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管れん縮 / 中枢性塩類喪失症候群 / 低ナトリウム血症 / 頭蓋内圧 / 塩類喪失症候群 / ラット / 血管貫通モデル |
研究概要 |
【目的】くも膜下出血(SAH)の急性期に出現する低ナトリウム(Na)血症はよくみられる合併症の一つであり、塩類喪失症候群によるNaの過剰排泄が原因として注目されているが、その病態については不明な点が多く、確立した治療法はいまのところない。本研究ではラットにおけるSAH後の低Na血症の発現について検討を行った。【方法】雄Wistarラットを用いナイロン糸を内頚動脈分岐部から貫通させ(Endovascular puncture)、SAHを作成した。ナイロン糸の挿入だけにとどめたモデルをShamとした。作成12時間後の尿中Na排泄量と尿量、さらに作成12時間、2、4日後の血清Na値の測定を行った。一部の症例では血漿ANP、BNP、ADH値の測定ならびに平均血圧(MABP)、頭蓋内圧(ICP)、局所脳血流(rBF)を経時的に測定した。【結果】SAH群ではSham群と比較し、有意に尿量と尿中Na排泄の増加を認めた。血清Na値は作成4日目に有意な低下を認めた。ADH値、BNP値は両群間で有意な差を認めなかったが、ANP値はSAH群で有意に低下した。ICPの基礎値は3.5±2.6mmHgでSAH作成直後に著しい上昇を認めた(67.4±17.6mmHg)。Rcbfは作成後に急激な低下を認め、徐々に基礎値の70〜80%まで改善した。【考察】ラットでは主に大槽内に自家血を注入するSAHモデルが最も汎用されているが再現性に優れる反面、血管損傷、とりわけ動脈損傷でないため、一過性の急激なICP:充進がみられない点において臨床でみられるくも膜下出血の病態とはかけ離れていることが問題点としてあげられる。【結語】EndovascularpunctureによるラットSAHモデルにおいて尿中への過剰なNa排泄と血清Na値の低下が認められた。本モデルは急激なICP亢進が認められることからより臨床に近いモデルと考えられた。
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