研究課題/領域番号 |
18591641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 宗人 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60201018)
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研究分担者 |
中塚 映政 佐賀大学, 医学部, 准教授 (30380752)
宮崎 展行 和歌山医大, 医学部, 助教 (90438276)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,810千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 神経科学 / 電気生理学 / シグナル / 細胞、組織 / 細胞・組織 / シグナル伝達 |
研究概要 |
パッチクランプ法を用いて電気生理学的検討を行った結果、アデノシンならびにアデノシンA_1受容体作動薬はシナプス後細胞である脊髄前角細胞に発現しているアデノシンA_1受容体に直接的に作用して過分極させることが明らかとなった。またアデノシンA_<2a>受容体についての作用について検討を行ったところ、脊髄前角細胞にA_<2a>受容体作動薬を投与すると約40%の前角細胞で興奮性シナプス後電流の発生頻度は有意に増加した。また、アデノシンA_1受容体作動薬の投与により、約70%の前角細胞において過分極応答が観察されたが、同一細胞にA_<2a>。受容体作動薬を投与すると大半の前角細胞において内向き電流が観察された。以上より、脊髄前角細胞においてアデノシンはA_1、とA_<2a>受容体は相反する作用を有しており、脊髄損傷の治療の際にはアデノシンよりも選択的なA_1受容体作動薬が有効であることが示唆された。そこで、脊髄前角細胞において、人工脳脊髄液から酸素とブドウ糖を除去した実験的虚血負荷を行った。そしてアデノシン、A_1受容体作動薬、A_<2a>受容体作動薬を添加し、コントロール群と比較した。この結果、実験的虚血負荷開始から数分後には急速な脱分極が起こり、記録した全ての脊髄運動ニューロンは細胞死に至った。急速な脱分極が発生するまでの潜時は平均281秒であったが、アデノシン、A_1受容体作動薬、A_<2A>受容体作動薬を添加して灌流すると、その潜時はそれぞれ363秒、348秒、284秒であり、アデノシンあるいはA_1受容体作動薬を添加した場合、急速な脱分極が発生するまでの潜時は有意に延長した。以上より、アデノシンあるいはA_1受容体作動薬が脊髄運動ニューロンにおける実験的虚血負荷による神経細胞死を抑制することが示唆された。
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