研究課題/領域番号 |
18591719
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
菊地 博達 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40034029)
|
研究分担者 |
植村 靖史 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40364781)
劉 天懿 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20406490)
松下 祥 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50167649)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,950千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 悪性高熱症 / 樹状細胞 / リアノジン受容体 |
研究概要 |
悪性高熱症(malignant hyperthermia;MH)は、全身麻酔時に使用する揮発性の吸入麻酔薬や脱分極性筋弛緩薬の使用により発症する筋疾患である。この疾患は常染色体優性遺伝を示すが、日常生活上は問題がなく、全身麻酔を受けた場合にのみ発症する。発症した場合には重篤で、適切な治療が行われなかった場合には死にいたることがある。疾患の本態は、骨格筋細胞内カルシウムイオン(calcium ion;Ca^<2+>)の動態異常に起因する代謝亢進である。現在のMHの確定診断は、局所麻酔下に筋生検を行い、骨格筋のCa^<2+>動態異常を直接観察することにより行われている。しかし、この方法にはいくつかの問題点があり、普遍的てはない。原因遺伝子である1型リアノジン受容体(ryanodinereceptor;RyR1)遺伝子の変異点を検索する方法が試みられたが、人種による変異点の差や、変異点の不明な症例も多いことが明らかとなり、遺伝子変異の検索による診断は困難とされている。 我々は、3つのRyRアイソフォーム(RyR1-3)のうち、ヒト樹状細胞(dendritic cells;DCs)が、RyR1のみを選択的に発現していることを明らかにした。また、ヒトDCはRyRアゴニストである4-chloro-m-cresol(4-CmC)刺激により、細胞内Ca^<2+>ストアに由来する一過性の細胞内Ca^<2+>上昇を示した。この現象は、RyR阻害薬であるダントロレンによって阻害されたが、IP_3受容体阻害薬であるゼストスポンギンCでは阻害効果が認められなかった。さらに、RyR1を介したCa^<2+>シグナルは、LPSによって誘導されるDCのIL-10産生を抑制し、HLA-DRとCD86分子の発現上昇を誘導することで、アロナイーブT細胞刺激活性を亢進させた。以上より、ヒトDCは機能的なRyR1を発現し、これを介したCa^<2+>シグナルによってDC応答が制御されること、およびDCがMH診断に有用な細胞種であることが明らかとなった。
|