研究課題
基盤研究(C)
遠隔転移を有する進行性尿路上皮癌に対する治療としては抗癌剤による化学療法が標準治療となっているが、治療成績は依然不良である。特に原発巣や肺に比して骨や肝といった実質臓器転移は治療抵抗性となることが多く治療成績・患者QOL向上の上で大きな障害となっているのが現状である。転移病巣の持つ治療抵抗性の背景は次の図のごとく癌細胞自体の内因性抵抗性と周囲微小環境から構成され、この両者のcrosstalkの解明は今後の転移病巣における化学療法耐性克服の為に事情に重要と考えられる。我々はこれらの課題を克服する為に、本研費の援助をうけ(1)内因性抵抗性機序のひとつとして、ストレスに応じた尿路上皮癌細胞内の細胞周期関連蛋白の発現制御と、そのアポトーシス経路への干渉の機序について解析をすすめるとともに、(2)臓器環境を模倣するin vitro実験モデルの確立と、抗癌剤細胞障害作用への影響の解析を志し、各種予備実験をすすめてきた。(1)に関しては、p53野生型尿路上皮癌細胞株においてp21等の細胞周期関連蛋白質が、シスプラチン細胞障害活性の中心的役割を担うアポトーシス経路へ負の制御をおこなうこと等を詳細に解析することができ、新たな分指標的治療の確立の可能性を提言することができた。一方(2)の臓器環境モデルの開発では実験系確立の技術的困難さから当初の計画を達成することはできず、今後の課題が残った形となった。我々の研究期間中にも、各国の施設より同様のp21標的治療に関する提言等がでてきており、本研究を通して我々が得た多くの知見は、犀路上皮癌に対する新しい化学療法戦略の確立に大きく寄与するものと期待される。
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