研究課題/領域番号 |
18591807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 佳克 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30254288)
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研究分担者 |
山本 珠生 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20405210)
伊藤 猛雄 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70159888)
渡邊 義将 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70381803)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / 血管内皮機能障害 / 葉酸 / L-アルギニン / 予防 |
研究概要 |
Preeclampsia(妊娠高血圧腎症:PE)は、高血圧と蛋白尿を呈し、母児の生命に危機を及ぼす重篤な妊娠異常である。その病因は明らかでないが、胎盤形成不全に起因するものと関係しないものがある。いずれも発症後(established PE)の病態は、サイトカインや活性酸素の増大やインスリン抵抗性の増大が発生している。これらは、生活習慣病と共通する病態であり、その発症予防には食事をはじめとする生活習慣の適正化が重要である。本研究は、妊婦の食事管理として、血管内皮由来弛緩因子の基質であるL-アルギニン(L-Arg)と胎児神経管閉鎖不全予防の目的に妊娠可能な女性における摂取が推奨されている葉酸に着目して検討を行った。 血清L-Arg値は正常妊婦で妊娠初期より中期や後期で高値を示し、PE患者では減少していた。血清葉酸値は妊娠後期に低下したが、PE患者で変化を認めなかった。血管内皮機能を評価する上腕動脈のflow-mediated vasodilatation(FMD)は正常妊婦において、非妊娠女性より著しく増加していたが、PE患やハイリスク妊婦(前回PE患者)では減少していた。L-Arg 1g+葉酸10mg/日服用により、開始2日で非妊娠女性とハイリスク妊婦におけるFMDは正常妊婦程度に増加した。しかし、PE患者では改善しなかった。ハイリスク妊婦において妊娠中期からL-Arg 1g/日+葉酸0.8mg/日を投与したところ、非妊女性やハイリスク妊婦では、正常妊婦に比べて投与前に低下していたFMDは投与により増加した。また、赤血球L-Arg濃度は、投与により増加したが、投与後10週以降に有意な増加となった。赤血球中葉酸濃度は投与開始3週で有意に増加し、投与中はさらに増加した。 L-Arg+葉酸投与は、PE患者の血管内皮機能障害は改善できないものの、ハイリスク妊婦にみられたNO機能障害を改善することから、少なくともPE発症予防として有効であることが示唆された。
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