研究課題
基盤研究(C)
着床の成立にとって胚浸潤は不可欠な要素であり、複雑な分子間ネットワークが正常に機能することが知られてきた。本研究では、着床を可能にする胚側の因子の同定を目指し、胚におけるメタロプロテアーゼの発現解析を行うとともに、腫瘍細胞の浸潤との相違について明らかにすることを目的とした。胚におけるADAMTS15の発現は着床期にかけて胚と浸潤性トロフォブラストに強く発現していることが明らかとなった。一方、胚の発生過程においてこれらの分子の標的と考えられるversicanの発現は胚盤胞期から後期胚盤胞にかけて著しく発現亢進しており、versicanの切断が着床準備として重要である可能性が示唆された。Versican以外にも標的となる分子は多数存在する可能性もあり、標的分子を明らかにすることでADAMTS15の役割が解明されるものと考えられる。RNAi発現制御による解析の結果から、初期胚の発生およびトロフォブラストの浸潤性を制御していることを見いだし、胚の機能における重要性が示された。ADAMTS15の胚における役割と比較検討するため、正常顆粒膜細胞および顆粒膜細胞がんを用いてADAMTSファミリー分子の発現解析を行ったところ、ADAMTS15は顆粒膜細胞がんでは亢進せず、異なるファミリー分子であるADAMTS9やADAMTS1に大きな変化が認められた。したがって、胚におけるADAMTS15の役割はがん細胞とは異なるものであり、特異的に必須である可能性が示唆された。ADAMTS15とは異なりADMTS19はトロフォブラストが分化すると発現が著しく低下することも明らかとなり、分化の促進に不可欠な因子である可能性も示唆された。
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