研究課題/領域番号 |
18591829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊東 和子 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (40303458)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 准教授 (20235493)
小西 郁生 信州大学, 医学部, 教授 (90192062)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,010千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 子宮頸部悪性腺腫 / LEGH / 子宮頸管腺 / 胃型粘液 / 治療前診断 |
研究概要 |
子宮頸部悪性腺腫(minimal deviation adenocarcinoma:MDA)や良性類縁疾患の症例を集積し治療前の胃型粘液染色やMRIを含めた諸検査結果と手術摘出標本の病理所見、およびその後の経過を総合的に検討した。まず、悪性腺腫やその類縁疾患の診断で子宮摘出術を含めた手術を行った63症例を集積し、術前に施行された諸検査を用いて悪性腺腫あるいはその類縁疾患の治療前診断を改めて行った後、病理組織標本を検討し、最終病理組織診断を決定して、MRI画像と病理組織の所見の対比、診断の照合を行った。摘出標本の最終病理組織診断で良性疾患は51例、悪性腫瘍は12例であった。良性疾患の51例中40例はLEGHであった。悪性腫瘍12例中MDAは7例であった。MRI画像での診断と病理組織診断を比較検討したところ、最終病理診断にて良性疾患の診断であったものは、MRI画像でもすべて良性と評価されていた。最終病理組織診断で悪性腫瘍であった12例中3例はMRI画像で良性疾患と評価され、under-diagnosisであった。この3例はいずれもMRI画像でLEGHと評価し、病理組織診断でもLEGHを認めたが腺癌を一部に認めた。このうち1例がMDAであった。近年、病理組織学的にLEGHの概念も周知されるようになったが、LEGHとMDAの関連性の有無は明らかとなってはいない。今後、臨床所見やMRI所見からLEGHが強く疑われる場合に手術を行わず経過観察となる場合が増加することも予測される。しかし、今回の我々の検討でunder-diagnosisとなった症例はMRIでLEGHと診断され、病理組織でもLEGHを認めたが一部にMDAを伴っていた。病理組織学的にLEGHがMDAの前癌病変なのか偶発的に合併したものかは不明であることから、現段階ではLEGHとして典型的な臨床所見を呈する患者であっても、単純子宮全摘術にて子宮を摘出し、病理組織診断で診断を確定することが重要であると考える。
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