研究課題/領域番号 |
18591849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
木口 一成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60101911)
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研究分担者 |
大熊 克彰 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70386952)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,880千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 480千円)
2007年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 婦人科腫瘍学 / 腫瘍学 / 蛋白質 / プロテオミクス / 病理学 / 婦人科学 |
研究概要 |
我々は、Hsp90選択的阻害剤GAの投与が卵巣癌の分子標的治療と成り得るか否かを探る為、各種HER-2高発現株に対し、GAの投与を行った。その結果、HER-2中〜強度発現株において、GA投与に伴うHER-2蛋白の減少と明らかな細胞増殖の抑制がみられた。一方、Hsp70はHsp60などと協力して、Hsp90の蛋白質シャペロン機能を助けている。又、Hsp70は卵巣癌、乳癌、骨肉腫などにおいて発現の上昇が知られている。我々は既にHER-2高発現卵巣癌に対して、GA投与例とcontrol群において変化のあった蛋白群をプロテオミクスにより解析した結果、GA投与後にcontrol群に比し、有意に増量した蛋白はHsp70である事実をつかんでいる。すなわち、GAを投与した結果、Hsp90とHSF-1(heat shock transcription factor 1)との結合がはずれ、HSF-1が活性化され、その結果Hsp遺伝子の活性化が生じると推測される。すなわち、抗癌剤を投与後も癌細胞は生き延びるために、とりあえずHsp70を増加させ急速なダメージをカバーすることが予想される。さらに、Hsp70の増加は最終的にアポトーシスへの抵抗に繋がり、またそれと同時に薬剤抵抗性に向かうことが予想される。そこで我々は、Hsp70の分子シャペロン機能のみではなく、アポトーシス抑制作用としてのシグナル伝達因子機能を探ると共に、これを卵巣癌を中心とした新たな分子標的治療法へと結びつけるべく研究中である。現在、我々は、Hsp70のRNAiを作製し、細胞内に遺伝子導入することにより蛋白分解へのHsp70の介入の度合を検討している。さらに、Hsp70高発現株に対して、Hsp70 inhibitorを添加することにより、抗アポトーシス作用が解除され、結果として抗癌剤耐性の克服が可能かどうか検討中である。
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