研究課題
基盤研究(C)
平成19年度の本申請研究においては、温度応答性培養皿を用いることにより作製できる肝細胞シートを生体内に貼布移植するというこれまでにない新しい肝ティッシュエンジニアリング手技の確立ならびに、シート組織の高機能化にむけた研究開発を行い、以下の成果を得た。新しい肝ティッシュエンジニアリング手技の確立においては、第一に組織作製局所での血管網の確立、次いで肝細胞シート貼布移植という2段階手技を行った。組織作製局所での血管網の確立は、平成18年度の本申請研究で作製技術を確立した血管網誘導デバイスをあらかじめマウス皮下に一時挿入して作製した。次いで、温度応答性培養皿にて2-3日間培養した肝細胞を、温度変化によりシート状組織として回収し、デバイスにより作製した血管網誘導皮下空間に貼布移植を行った。この手技により、200日を超えて安定して機能する肝組織の作製に至った。次いで、シート組織の高い機能化にむけた開発においては、肝細胞のみであった細胞構成を、肝臓の非実質細胞の一つである類洞内皮細胞を肝細胞に加えて培養下でシート化させた。肝細胞と類洞内皮細胞を混合培養することにより、アルブミン産生が高いレベルで維持される肝シート作製に至った。肝ティッシュエンジニアリングの分野では、ばらばらの肝細胞を注入することや、生分解性高分子に肝細胞を付着させる手技において開発されてきたものの、作製肝組織の長期維持の成功には至っていなかった。本研究の成果は、細胞相互の機能的結合に着目した技術基盤を作り上げることにより、貼布という極めて容易な手技で、皮下における機能的肝組織の作製、組織の長期機能維持、そして組織の高機能化への要素技術を開発したものであり、肝ティッシュエンジニアリングの新しい道を開くものと考えている。
すべて 2008 2007 2006
すべて 雑誌論文 (31件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (47件) 図書 (2件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
移植 (in press)
Hepatology Research (in press)
10025323433
Transplantation (in press)
Journal of Thrombosis and Haemostasis
Hemophilia 14(s3)
ページ: 130-137
Thrombosis and Haemostasis 99
ページ: 883-891
Isyoku 43
ページ: 132-139
Haemophilia (in press)
Journal of Thrombosis and Haemostasis (in press)
日本移植学会雑誌 (in press)
Thrombosis and Haemostatis 99
Nature Medicine 13
ページ: 880-885
Biomaterials 28
ページ: 5033-5043
医学のあゆみ 220
ページ: 581-586
ページ: 745-749
Nature Medicine (In press)
医学のあゆみ 220・7
Biomaterials 28・4
Am J Transplantation 6
ページ: 50-59
Cell Transplantation 15
ページ: 637-645
ページ: 1-12
Cell Transplantation 15・1
医学のあゆみ 218・2
ページ: 149-154
J. Artif. Organs 9・3