研究課題/領域番号 |
18591996
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
馬場 麻人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90251545)
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研究分担者 |
寺島 達夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (20114770)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,010千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 210千円)
2007年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 象牙質タンパク / dentin sialoprotein (DSP) / 歯周組織 / 歯髄 / BrdU / 細胞増殖 / in situ RT-PCR / ラット / 臼歯 / 歯根 / c-srcノックアウトマウス / セメント質 / 歯根膜 |
研究概要 |
本研究の企画時においては、"DSPが歯胚を取り巻く骨、あるいは歯槽骨、有細胞セメント質、歯根膜において特異的に局在している"という過去の我々の報告をもとに、"歯乳頭もしくは成長過程にある歯根歯髄より歯周組織形成細胞の起源細胞が移動する"ことを作業仮説とした。実際の検証においては、歯周組織形成細胞の細胞増殖能は当初予測したレベルより遥かに低く仮説の実証には今のところ至っていない。しかしながら、BrdUを投与しての本検証の過程において、歯冠硬組織の形成期以降の歯髄の成長過程で以下のような興味深い所見が得られた。まず、歯冠硬組織形成初期では、歯髄細胞の増殖活性は低く、歯冠形成中は歯冠そのものが大きくなっても歯髄細胞数自体はあまり増加しない。そして再び歯根象牙質形成期になると歯根延長のために歯根形成端付近で著しい歯髄細胞増殖がおこり、これが歯根象牙質形成に何らかの役割を果たしていることが示唆された。過去の報告で、歯髄もしくは歯乳頭細胞は最初に、歯胚形成期において増殖を盛んに行い、顎骨の中で歯(歯冠)の成長の場所を確保することが示されているが、今回の結果と併せると、歯乳頭〜歯髄の発生という成長過程には二回の歯乳頭・歯髄細胞増殖のピークがあることが明らかになった。この結果は、歯が顎骨に植立するために重要な、歯根の形成、再生を考えるとき重要な意義をもつと考えられる。 また、今回のプロジェクトで導入した、in situ RT-PCRのシステムは、当該期間中に、世界で始めて硬組織研究において実用段階までたどり着くことができ、今後の研究方法の選択肢を増やすことができた。 現在はこのin situ RT-PCRのシステムを利用して、上記の歯髄細胞の増殖に関わる遺伝子の発現について検索中である。
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