研究課題/領域番号 |
18592019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
八巻 真理子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90360221)
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研究分担者 |
小澤 英浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (60018413)
中村 浩彰 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
小林 泰浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (20264252)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,670千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 270千円)
2007年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 歯胚間葉系細胞 / MDU1 / ES細胞 / 分化誘導能 / 上皮-間葉相互作用 / コラーゲン3D担体 / テラトーマ / feeder細胞 / キメラ胚様体 |
研究概要 |
マウス胎仔の胎生初期の歯胚間葉系はわずかに分化した多分化能を持つ細胞集団である。この歯胚間葉系細胞と、未分化で多能性細胞であるES細胞とを組み合わせれば、in vitroで容易に歯胚あるいは歯胚形成に関わる細胞群が誘導できるのではないかと考え実験を試みた。まずマウス胎仔から歯胚間葉系細胞を採取し株化してMDU1と名づけた。これをフィーダー細胞としてマウスES細胞を共存培養すると、ES細胞はケラチンを産生する上皮系細胞へ、MDU1はコラーゲンを産生する線維芽細胞様細胞へと分化することが分かった。そこで、共存培養した2種類の細胞群は「歯形成能」を持つのではないかと考え、胚様体様球体(キメラEB)を形成し、コラーゲン3D担体(CS)に接着させて腎皮膜下に移植し、歯形成の有無を検討した。2週間後に移植片を取り出して観察した所、歯や歯胚様の構造は観察されず、石灰化部位や象牙芽細胞、エナメル芽細胞などが免疫染色されるにとどまった。原因は移植した細胞数が非常に少なかったためと考えられ、今後細胞数を増やして検討する。さらに、一連の実験でコントロールとして使用したマウスES細胞は、CSに接着し移植すると、7週間を経過しても奇形腫(テラトーマ)を形成しないことが明らかになった。ES細胞を用いた再生医療の最大の問題は、移植後のテラトーマ形成である。そこで、移植前試料の遺伝子発現を検討したところ、ES細胞はCSに接着すると未分化マーカー群および腫瘍形成マーカーの遺伝子発現が抑制されていることがわかった。従って、ES細胞から誘導した機能細胞をCSに接着し移植する方法はテラトーマを抑制する効果的な方法と考えられた。また、キメラEBは未分化および腫瘍形成マーカーの遺伝子を発現していたが、テラトーマを形成しなかったことから、MDU1がES細胞のテラトーマ形成を抑制する可能性が示唆され、今後検討を試みたい。
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