研究課題
基盤研究(C)
歯肉上皮は角化することで外界からの刺激やストレス、感染などから生体を防御する機能を持つと考えられている。歯肉上皮は主に扁平上皮細胞という角化した細胞で構成されており、同細胞は皮膚表皮を構成する細胞と同じである。近年、歯肉上皮や皮膚上皮に異常をもたらす遺伝子として、カテプシンと称されるエンドソーム・リソソーム性プロテアーゼが注目されている。例えば、カテプシンCが、ヒトにおいて遺伝子変異を来たし、酵素活性が減少するとPapillon-Lefevre症候群、あるいはHaim-Munk症候群と呼ばれる疾患を発症する。この疾患は歯肉上皮の角化異常により、重度の歯周病を呈するようになり、同時に皮膚特に手掌や足底の角化異常を起こす。さらにノックアウト(KO)マウスの解析から、カテプシンL-KOマウスは皮膚の無毛症と過角化症とを呈すると同時に、歯肉増症を呈する事も報告されている。一方我々はエンド・リソソーム性アスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンEの生理学的・病理学的機能を解析するために、カテプシンE-KOマウスを作製した。カテプシンE-KOマウスは皮膚表皮の肥厚を伴うアトピー性皮炎様症状を呈した。また、最近同マウスは遺伝的背景によっては、皮膚上皮細胞性癌に進行することもある。これらの知見から、カテプシンE-KOマウスが、皮膚表皮のみならず歯肉上皮に何らかの異常をもたらす可能性が極めて高いと考えられる。しかしながら、実際どのような病態を呈するのか未だ明らかになっていない。そこで本研究では、エンド・リソソーム性プロテアーゼの上皮細胞における生理学的・病理学的機能に迫る実験を行った。これら一連の研究の最終目標は、カテプシン群をターゲットにした診断や治療薬への応用、特に歯科領域における上皮細胞性疾患、歯科領域では、歯周病、歯肉増殖症、上皮細胞性癌の診断や治療への応用である。
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