研究課題/領域番号 |
18592058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阪本 真弥 東北大学, 病院, 講師 (90157686)
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研究分担者 |
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80302157)
森 士朗 東北大学, 病院, 講師 (80230069)
笹野 高嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
庄司 憲明 東北大学, 病院, 講師 (70250800)
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20302218)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,560千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | mandibular size / mandibular shape / craniomaxillary development / linkage analysis / QTL analysis / mandible size / insulin-like growth factor |
研究概要 |
顎形成の遺伝支配を明らかにするために、遺伝的背景の異なる2種のマウス近交系統、C3H/lprとMRL/rpl (MRL/lprマウスのX染色体上のSAP遺伝子に変異をきたしたマウス)の交配により背景遺伝子を再構成した(MRL×C3H)F2マウスを作出(250匹)し、それぞれのマウスに対して、体重を測定後、頭部標本を採取し、上顎骨と下顎骨の大きさを実測した。上・下顎骨の大きさ、形状(幅と長さの比)、両顎骨の調和的成長指標(上顎骨と下顎骨の測定値の比)に対して、マイクロサテライトマーカーを用いた全ゲノム連鎖解析を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.下顎幅の成長には雌雄差が見られる。 2.上・下顎の幅、上・下顎の形態、長さの調和的成長は多遺伝子に影響される。 3.下顎の形態や上・下顎の幅の調和的成長は下顎幅の成長に規定される。 4.上・下顎の幅の比に関わる候補遺伝子座は1、10、11番染色体の3領域に存在する。 5.1番染色体の候補領域にはInsulin-like growth factor (IGF)結合タンパク関連の遺伝子が存在する。 IGFは、成長ホルモン(GH)の成長促進作用を仲介するペプチド性成長因子の一つであり、IGFの産生に異常が起こると、様々な内分泌疾患や骨代謝疾患の原因となる。特に顎・顔面領域では顎骨の過成長、形成不全、小顎症、著明な咬合異常などを生じることが知られている。GHやIGFは、このような先天的な顎骨の形態や大きさの異常、咬合異常などを呈する疾患の治療標的と考えられている。本研究では、生理的な顎骨の大きさ、上・下顎骨の調和的成長の遺伝的制御の一端を明らかにした。これら遺伝子座にはIGF結合タンパク関連遺伝子が存在することから、原因不明の顎骨や顎顔面部の発育障害に対しても、IGF作用を標的とした治療の可能性が示唆された。
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