研究概要 |
外傷,先天性欠損,腫瘍等により顎顔面領域の一部に欠損を生じ,かつ生体に寄る再建が困難な場合や手術までの期間を補う物として,エピテーゼを利用した顎顔面補綴処置が行われる場合がある.これらエピテーゼは健側を参考にして患側の形状を推測し製作されるが,術者の感性に依る部分が多い.本研究では,小耳症を含む耳介欠損症例への適用や生体再建時の形成外科医のアシストを目的に耳介形状データベースの構築を目指した. 1.耳介形状データの抽出・収集と解析(上田・會田):3次元CTのボリュームデータから130個余りの耳介形状データを抽出し収集することが出来た. 2.形状データベースの構築(上田・會田):エピテーゼの作製を前提とした3次元形状データベースを構築した.ボクセルモデルを基本として内部構造データを保持したモデルを構築した. 3.試作材料の検索・エピテーゼの試作(西川):構築したデータベースの形状を元に実際の症例に対してエピテーゼの試作を行なった.さらに,形成外科医から提案のあった生体再建手術用テンプレートの試作も行なった.材料としては,シリコーン系材料とポリウレタン系材料で検討を行った. 4.問題点の整理と実用化に向けた課題の検討(上田・會田・西川):実用化にはデータベースの形状を容易に操作でき,患者の顔写真等と合成して簡単にシミュレーションや確認などが出来るCADソフトの開発が必要であると考えられた.
|