研究概要 |
本研究は,より臨床に近い環境を臨床シミュレーション実習に与えるため,支台歯のみならず,隣在歯の損傷という周囲組織の評価も加え,付加価値を備えた支台歯形成技能自動評価システムの構築を目標に行われた.平成18年度は,隣在歯損傷の測定方法ならびに測定結果の評価方法を確立し,平成19年度は,学生対象に支台歯形成を実施し,測定結果をフィードバックし,再度支台歯形成を実施し比較検討を加える計画のもと遂行された. 半導体レーザー応用の短時間かつ高精度の安定した測定環境を作ることができ,今後の新たな評価にも十分対応可能である.また学生教育の現場では初めてフィードバックを実施することができた.隣在歯の損傷は予想以上に大きく深いものであった.この結果を今後支台歯形成教育において指導者ならびに学生へ提示し,隣在歯の損傷の実態を把握し,同時に未然に防ぐ方法を早急に考案する必要があろう.本評価システムは登院前学生あるいは研修医が支台歯形成時に生じる隣在歯の損傷を画像表示で視覚に訴え,同時に自分の形成スキルの習熟度を定量的に把握することを目的としている.さらに医原病とされる隣在歯の損傷を未然に防ぐことへ意識が向く教育効果が表れることを期待して研究を継続発展させたい.
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