研究概要 |
ボランティアを被験者として募り,顎口腔疾病の危険因子など(生活習慣,精神的ストレス状態,全身症状,顎関節症状等)に関連するアンケート記録を初年度と2年度にわたり行った.調査が行えた被験者は44名(男性19名,女性25名)であり,これら44名のデータ分析を行った.その結果,長さ期間を通して精神的ストレス,歯牙,歯周状態に経時的変化は認められなかった.ブラキシズムは女性被験者の方が男性被験者よりも多数であり,女性被験者に限り,調査2年目に顎関節疼痛の増加が認められた.これは歯,歯周組織が健康な場合,ブラキシズムは直接的に顎関節に影響を及ぼすことを示唆するものと考えられる.選択した被験者がいずれも口腔内の歯,歯周組織が健全な状態の者が大多数であり,ブラキシズムとこれ等の因子との関連が十分には検証できなかったと考えられる.被験者の拡大と調査期間の延長による更なる検討が今後の課題となる.
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