研究課題/領域番号 |
18592164
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40399952)
|
研究分担者 |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (80241321)
樋田 泰浩 北海道大学, 病院, 講師 (30399919)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,830千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 腫瘍血管新生 / 血管内皮細胞 / 血管新生阻害療法 / 血管新生 / 腫瘍血管内皮 / 遺伝子標的治療 |
研究概要 |
腫瘍の血管は腫瘍の進展と転移に大きな役割を果たしていることから血管新生阻害療法にはがんの治療法として重要なものであることが認知され始めている。ところが従来の血管新生阻害剤は正常血管内皮細胞を用いて研究開発されたものがほとんどである。申請者らは腫瘍血管内皮の分離と培養に世界に先駆けて成功した後に、それらが正常血管内皮とは様々な点で異なることを報告してきた。 理想的な血管新生阻害剤を開発するためには、腫瘍血管内皮の生物学的な特異性を把握することが重要である。そのためには腫瘍血管内皮の分離と培養が必須である。そのことを目的として申請者は4つの異なる腫瘍(口腔扁平上皮癌を含む)から純度の高い腫瘍血管内皮細胞を分離することができ、これらが増殖能や遊走能などが高いことなどがわかった。さらに遺伝子の発現パターンをDNA microarrayにて正常血管内皮と比較検討することまで研究を進めることができた。例えば、Tumor ECはepidermal growth factor (EGFR)の発現が高いことがわかった。また、腫瘍血管内皮細胞は腫瘍微小環境下で正常に見られない染色体の異常があることがFISHによりわかり、薬剤感受性などが異なることなどが示唆された。これらの知見はこれまで腫瘍の血管は正常の血管と同じ性質を持つという概念を根底から覆すもので、より腫瘍血管に特異的な薬剤の開発が可能であることを同時に示唆しているものである。 これまで遺伝子発現の網羅的解析で数種の腫瘍血管に共通して発現亢進している遺伝子を汎腫瘍血管内皮マーカー(さらには汎腫瘍マーカー)として重要なものとしてピックアップしており、それらのうちいくつかの遺伝子は実際のヒトの腫瘍血管にも発現がタンパクレベルで確認でき、その発現亢進が確認された。 これらは腫瘍血管内皮により特異的な治療薬の標的として重要と考え、今後の研究で生物学的影響などを解析する予定で、実際の創薬の具現化を図る予定である。
|