研究課題/領域番号 |
18592175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小泉 英彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10324790)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,860千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 脳・神経 / 神経生理 / 呼吸 / パッチクランプ |
研究概要 |
本研究は、呼吸に関連した舌運動に着目し、脳幹内における舌運動制御機構の解明を試みたものである。研究には新生児あるいは成熟ラットの培養脳幹を用いて、まず呼吸ペースメーカーニューロンの発火特性について解析を行い、さらに呼吸性舌運動発現に関わるイオンチャネル機構、とくに特殊なNa^+チャネル(Persistent Na^+チャネル:NaPチャネル)の役割について解析を行った。その結果、呼吸ペースメーカーニューロンは、Ca^<2+>-activated K^+チャネルによる過分極調節やNaPチャネルならびにCa^<2+>チャネルによる放電頻度調節により、その連続発火様態が制御されていることが示唆された。また、安静呼吸時には、NaPチャネルは呼吸性舌運動発現において補助的な役割を担っているのみで、そのリズム形成にはC1-チャネルを介した抑制性神経伝達機構が主要な役割を担っていることが明らかとなった。一方、低酸素状態においては、呼吸リズム形成や呼吸性舌運動発現にNaPチャネルが必須であることが明らかとなった。次いで、実験的に得られたデータを用いて、呼吸性舌運動発現に関わる神経ネットワークのコンピュータ・シミュレーションによる解析を米国国立衛生研究所(NIH)のsmith博士との共同研究にて行った。その結果、呼吸ペースメーカーニューロンのリズム性神経放電の発現にはNaPチャネルが必須であり、そのチャネルコンダクタンス変化が舌下神経運動ニューロンの呼吸性リズム性活動の放電頻度や放電振幅を調節していることが明らかとなった。 本研究結果は、睡眠時無呼吸などの様々な病的呼吸に関わる脳幹内メカニズムの解明にも重要な示唆を与えるものと考えられる。
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