研究課題/領域番号 |
18592263
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
湯本 浩通 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60284303)
|
研究分担者 |
中江 英明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30227730)
尾崎 和美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90214121)
高橋 加奈子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80403715)
高松 夏子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90403716)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,860千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 歯周病 / 動脈硬化症 / 歯周病関連細菌 / 細菌感染 / 炎症 / マクロファージ / 遺伝子発現 / 免疫応 / 炎症性サイトカイン / シグナル伝達 / スカベンジャーレセプター |
研究概要 |
アテローム性動脈硬化病院巣でも検出される歯周病関連細菌P.gingivalisは、病原因子として菌体表層に2種の線毛を発現している。これらの線毛遺伝子欠損株とその親株でマウスマクロファージ細胞株J774.A1を刺激し、アテローム性動脈硬化病巣形成に中心的役割を演じ、マクロファージの泡沫細胞(Foam cells)への分化過程で最も重要な現象の1つである脂質のuptakeに関する酸化LDL受容体群の発現誘導をRT-PCRにて解析した。その結果、SR-A,CD36やLox-1の遺伝子発現誘導が認められ、さらに勢処理した死菌体でも認められた。近年、アテローム性動脈硬化症と自己免疫応答の関与(特にHeat Shock Protein;HSP)が示唆されている。そこでP.gingivalisでJ774.A1細胞を刺激すると、mRNA及び蛋白質両レベルにおいてHSP60の発現増強が認められた。 P.gingivalisからCloningしたgroES及びgroEL遺伝子を含むplasmid DNAを大腸菌に導入し、最終的にrecombinant GroELおよびGroESを得た。現在、P.gingivalis groEL遺伝子欠損株の作製と精製recombinant GroELの機能をJ774.A1細胞を用いて解析している。 歯周病関連細菌の1種であるStreptococcus intermediusからHistone-like DNA binding protein遺伝子(Si-hlp)をCloningし、大腸菌内で発現誘導させ、最終的に精製rSi-HLPを得た。アテローム性動脈硬化症の惹起・促進に関して、この新規蛋白質の影響を解析する為に、ヒト単球系細胞株THP-1をrSi-HLPで刺激し、アテローム性動脈硬化症の発症に関与する炎症性サイトカイン産生と産生誘導メカニズムを解析した。rSi-HLPは、時間及び濃度依存的に炎症性サイトカイン産生を誘導し、その誘導活性はDNA結合活性とは異なり、熱不安定性であった。さらに自然免疫に関与するレセプター群(TLR2やNOD2)に対するLigandsと相乗的に作用して、炎症性サイトカイン産生を誘導した。Western blotや特異的inhibitorを用いた解析から、rSi-HLPはERK1/2及びJNKのシグナル伝達系を活性化し、炎症性サイトカイン産生誘導を行う事が明らかとなった。これらの知見は、炎症性反応により惹起・促進されるアテローム性動脈硬化症と細菌感染・自然免疫との関連性に関する近年の報告と合致し、細菌由来HLPの本疾患への関与が示唆された。
|