研究分担者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00217712)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
西村 英紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
橋谷 進 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00330449)
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研究概要 |
本申請課題は,T細胞が産生するIL-22/IL22RA2バランスを人為的に調整することによる歯周病治療創薬の開発を行なうための第1段階として,1.各病型の歯周病患者の病巣局所におけるIL-22およびIL-22RA2の発現パターンを把握すること,および2.CD4陽性T細胞クローンのIL-22およびIL-22RA2産生性を人為的に調整する可能性について評価することを目的として行なわれた。その結果,以下のことが明らかとなった。 1.IL-22およびIL-22レセプターの発現について,歯周病患者の外科処置時採取歯肉を対象として調べたが,被験サンプルの多くにおいてIL-22の遺伝子発現を検出することができなかった。検出が可能であった被験サンプルにおいても,その発現レベルは大変低いものであった。発現が見られたサンプルを対象としてIL-22の免疫組織染色を行なった結果,炎症性の歯周組織上皮下においてCD4陽性のT細胞の集積部位に多くIL-22の発現が見られた。一方,IL-22レセプターは,ほとんどすべての歯周組織において発現していた。可溶型IL-22レセプター(アンタゴニスト)の発現は,病巣部で健常部と比較して高い傾向があった。 2.健常者末梢血由来リンパ球からP.gingivalis外膜蛋白抗原Ag53を認識するCD4陽性T細胞クローンを樹立した。それらT細胞クローンのIL-22産生を調べた結果,半数以上のT細胞クローンにおいてその産生を認めた。さらに,Th1およびTh2サイトカイン産生性をそれぞれのT細胞クローンで調べた結果,多くのT細胞クローンで,IFN-γおよびIL-13の産生が認められたが,それらサイトカイン産生性とIL-22産生との間に相関が見られなかった。これらのことから,引き続きTh17誘導に関わるサイトカイン存在下におけるIL-22産生調整の可能性を調べる予定である。
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