研究分担者 |
瀬倉 幸子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (20463979)
中村 悦子 新潟青陵大学, 看護福祉学部, 教授 (60367422)
岩清水 洋 人文社会, 教育科学系, 准教授 (30232672)
田邊 直仁 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40270938)
齋藤 紀子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60345494)
|
研究概要 |
職務への取組み方や職場環境が,病院職員の職務満足にどのように影響しているかを検討した。 平成18年12月に15県立病院のうち同意を得た9病院,全職員2,182人に質問紙「病院職員の職務満足および職場環境に関する意識調査」を配布した。 質問紙は,属性を除いた63項目を,研究分担者と支援者の6人でKJ法を使用してグループ化した。質問群の信頼性はCronbachα係数を算出し,0.6以上のα係数を採用した(5項目が削除となった)。項目内容からグループの命名した:I.職務満足(0.70),II.上司との適切な関係(0.91),III.評価方法の明示(0.67),IV.経営理念・方針への評価(0.80),V.経営理念達成を目指した仕事(0.65),VI.主体性ある仕事の取組み(0.63),VII.病院理念や目標の伝達(0.81),VIII.主体的な仕事を認める雰囲気(0.76),IX.他人と協働できる職場(0.73)(α係数)。 質問紙の回収数は1,185人であり,有効回答は926人であった。対象者の背景は女性742人(80.1%),平均年齢39.5(SD10.6),平均勤務年数8.1(SD8.0)であった。9職種からの回答があった。 職務への取り組み方や職場環境が,病院職員の職務満足にどのように影響しているかを検討した。その結果は,上司との適切な関係があり,他人と協働できる職場において職務満足が高く,良好な人間関係の構築が重要と考えられた。なお,職務満足は医師が最も高く,看護者が最低得点であった。また,職務の取り組み意識や職務への評価は薬剤師が低いという特徴があった。 職務満足を独立変数にして重回帰分析をおこなった。職務満足への影響要因は9グループから年齢と職種を補正し,ステップワイズ法を選択した。結果はII上司との適切な関係,IV経営理念・方針への評価,IX他人と協働できる職場,V経営理念達成を目指した仕事の4グループは正の影響要因があった。VII病院理念や目標の伝達は負の影響要因であった。病院と職員の関係には,どのようにして職務満足が提供できるかである。 以上から職種間の差が明確にみられることから,職種の特異的な要因は,今後の検討課題と考える。
|