研究課題/領域番号 |
18592373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
渡部 節子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80290047)
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研究分担者 |
坂梨 薫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60290045)
高島 尚美 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00299843)
五木田 和枝 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40290051)
武田 宜子 国際医療福祉大学, 大学院・医療福祉学研究科, 教授 (40197322)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,040千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 240千円)
2007年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 人工股関節全置換術 / 手術前皮膚消毒 / 術後創感染 / 人工股関節全署換術 / 手術前処置 / 手術部位 / 手術部位感染 |
研究概要 |
本研究の目的は人工股関節全置換術(THA)の手術前処置の手術部位感染(SSI)に対する有効性と費用対効果を証することである。 1.人工股関節全置換術の手術前消毒の実態調査 人工股関節全置換術の手術前消毒の実態調査を全国規模で明らかにするために国内200床以上で整形外科を有している1,967施設を対象にアンケート調査を実施し、618施設から有効回答が得られた。その結果、術前の清潔に関しては612施設(99%)が実施しており、その方法として入浴やシャワー浴が324施設(52.4%).と最も多かったが、CDCが推奨している消毒剤によるシャワー浴は36施設(5.8%)と少数であった。皮膚消毒については手術室で実施する施設は367施設(59.4%)と最も多かった。また、皮膚消毒時に使用する材料としてガーゼが最も多かったが、ブラシを使用している施設も21施設(3.4%)であった。過去1年間における術後創感染は80施設(14.2%)で発生していた。感染率について病棟における消毒群と、手術室のみや手術室と病棟で実施する群で比較した結果、有意差はみられなかった。又、皮膚消毒時の材料として皮膚ブラッシング群とそれ以外(ガーゼなど)の群でも感染率に有意差はなかった。以上の結果から、平成11年に関西・中部・関東地区を対象にした同様の調査に比較してCDCが推奨している方法に近づいていることが明確になった。 2.手術前皮膚消毒方法の相違による術後創感染率の比較について 厳重な皮膚消毒を実施している施設(以下A群)(N=10)の手術前処置としては、手術前日に電気バリカンで剃毛し、さらに手術3時間前に病棟で2回の皮膚消毒及び滅菌布で被覆し、バルンカテーテルを挿入し手術室へ移送し、さらに手術室で再度、皮膚消毒を実施する。一方、CDCの提案に沿った方法で実施している施設(以下B群)(N=27)は病棟における術前の剃毛や消毒は一切実施せずに手術室で消毒するのみである。リスクファクターとして関与が大きいとされている術前の抗菌薬の投与は両群共に執刀30分前であった。患者の年齢・BMI・創分類・ASAスコアなどに有意差はない一方、男女比・合併症の有無(心血管障害)・入院日数について有意差が見られた。現在、症例数が少ないために結論を導き出すことは時期尚早と思われるが、両群共にSSIが発生していないことから従来の厳重な処置は見直しが求められる。今"は症例数を増やし、統計的な分析のもとに結論を出したいと考える。尚、感染者と非感染者の費用に関してはSSIが発生していないことから検証はすることはできない。今後、SSIが発生したケースを基に実施していく予定である。
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